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Dog Gone わんぱくバディーズ/ダイヤ泥棒をやっつけろ!

アメリカ映画 (2008)

『ホーム・アローン』以来人気を博した、少年が悪漢を策略を駆使してやっつけるドタバタ喜劇の流れに属する作品。ただ、出来の悪い脚本と、盗品の運び屋に扮した3人のあまりにお粗末場な演技〔監督の責任〕で目を覆いたくなるような映画だが、2005年から2008年にかけてベストな子役だったルーク・ベンワード(Luke Benward)の見事としか言いようのない多彩な顔が見られるという点に、唯一かつ多大な価値がある。映画は、2008年2月28日国際ファミリー映画祭というマイナーな映画祭で上映され、8月には、これもマイナーなニューポート・ビーチ映画祭で上映された後、一般公開されずに、DVD発売されてしまった。何とわびしい運命。これでは、いくらルークの演技が光っていても、賞の対象にはならないので、可哀想としか言いようがない。なお、『わんぱくバディーズ』という邦題に、何の意味があるのか全く分からない。「バディーズ」は、「buddies(仲間、相棒)」のカタカナ表現だが、これに「わんぱく」がついている。恐らく、オーウェンと犬が相棒同士でわんぱくだと言いたいのかもしれないが、犬は腕白ではないし、オーウェンは腕白ではなく策士。1つ前に紹介した『わんぱくデニス』をもじって、苦し紛れに付けた邦題だとしか思えない。

オーウェンは、田舎の町に住む12歳の少年。発明好きで、アルバイトの新聞配達で使う自転車にも、工夫を凝らしている。家のすぐ裏にある山の中腹にある砦や、彼がマッドマンと呼んでいる山に一人で住んでいる大男との境界線には、彼らしいアイディアが溢れている。朝刊にダイヤモンド強盗の記事が載り、両親が夜遅くまで出かけた日、新聞配達中のオーウェンは、途中で大好きな女の子メーガンと話したのを見られ、不良のグループにひどい目に遭わされる。同じ頃、町に近い空港には、盗まれたダイヤモンドの運び屋が、尼僧の仮装で到着し、頭の悪い2人の部下に迎えられる。被害者のオーウェンと、仮装を洗い落とそうとした運び屋は、山に面したパーキングで出会う。長年飼ってきた犬が死んで寂しいオーウェンは、運び屋が盲目を装うために連れていた盲導犬に親しみを覚え、強く縛られたロープを緩めたため、運び屋から恐ろしい目に遭わされていた犬は、すぐに山に逃げ込む。オーウェンは、犬を追跡する振りをして、運び屋たちを間違った方向に連れて行き、途中でおさらば・放置し、犬と合流、砦に連れて行く。ランチには、自宅に戻って姉の作った物を食べなくてはならないので、犬を砦に残して家に戻るが、犬は後を付いて来て、不味いランチを代わりに食べてくれる。犬の汚れを洗って、後始末をしている時、使った新聞にさっき会った尼僧の写真が、強盗に関わりのある関係者として載っていたので、オーウェンは、相手が悪人だと分かる。オーウェンは、警察署に行くが、犬に付けた名前が、ダイヤ風の首輪から、ダイヤモンドと名付けていたため、会話が混乱し、信じてもらえない。一方の悪漢は、パーキングに残された自転車に書いてあった名前から、オーウェンの家を突き止める。オーウェンは、自分で犬を守るしかないと考えると、家から防御用の品々を持って砦に行き、いろいろな罠を仕掛ける。ここからは、犬を奪いにやってきた3人の悪人が、オーウェンの対抗策に如何に苦しめられるかのコメディ。一部の残酷度は、『ホーム・アローン』シリーズを上回っている。しかし、オーウェンは、首輪のダイヤが盗難品だと思い込んでいたが、実際には、ダイヤは犬の体内に隠されていて、犬が次第に弱っていき、最後には、悪漢どもに降参せざるを得なくなる。運び屋は、犬の腹をナイフで切ってダイヤモンドを出そうとするが、そこに現れたのが、マッドマン。3人は、マッドマンの車輪付きボートに乗せられ、急斜面を恐怖で叫びながら滑落すると、町への道路を高速で走り、最後に停まった先にはパトカーがいて、即逮捕。動けなくなった犬は、マッドマンがオーウェンの家まで運んでくれ、すぐに動物病院へ。すべては丸く収まるが、オーウェンは大好きだった犬を、救ってくれたマッドマンにプレゼントする。

主人公のオーウェン役のルーク・ベンワード(Luke Benward)は、1995年5月12日生まれ。映画の撮影は2007年の6月から9月の間なので、撮影時は12歳。既紹介の『How to Eat Fried Worms(ミミズ・フライの食べ方)』(2006)の時に見せてくれた “お茶目な可愛らしさ” を、そのまま引き継いでいる。彼の少年時代の出演作には、『Minutemen(タイムマシン大作戦)』(2008)、『Mostly Ghostly(幽霊見習い)』(2008)があるが、2つとも重要な脇役。下の3枚の写真は、左がMartina McBrideの『Concrete Angel』(2002)というミュージック・ビデオに出演した幼い頃のルーク、真ん中が、『Minutemen』、右が、自らのミュージック・ビデオ『Everyday Hero』(2009)の、声変わりしたルーク。年齢差はあるが、下がり眉毛がシンボルだ。

あらすじ

映画のオープング・クレジット。主人公のオーウェンが目覚時計で起こされ(1枚目の写真)、裏山に接した家の裏門から出ると、そのまま山に走って行く(2枚目の写真)。山の中では、木の枝に吊るしたチョコレートを ごつい手の男がつかむ。オーウェンが山の中まで行き、その枝を見ると(3枚目の写真)、チョコレートの代わりに赤い木の実のついた枝が吊るしてある。
  
  
  

オーウェンが山から戻ると、キッチンでは、テディベア・コンベンションのために、両親が大きなポリ袋にテディベアを一杯詰め込んでいる。それを見ながら、オーウェンの姉は、「朝食が、1日で一番大事だって知ってた?」と父に話しかける。オーウェンは持ち帰った赤い木の実のついた枝をシンクで洗う。姉が、出かける前に朝食を取るよう父に促すと、オーウェンが赤い実を食べ始め、テディベアを入れ過ぎたポリ袋の底が破れる(1枚目の写真、矢印は袋から落ちたテディベア)。それを見たオーウェンは、「やっちゃったね〔Hey, good one〕」と、ルーク・ベンワードらしい笑顔を見せる(2枚目の写真、矢印は赤い木の実)。母は 「食べて安全かどうかも分からないのに、そんな物食べて」と批判。「安全だよ、ママ、マッドマンが置いておいてくれた」(3枚目の写真)。それを聞いた姉は、「またね。ビッグフット〔アメリカ合衆国で目撃される未確認動物(大きな足をした猿人、雪男のような怪物、先住民のサスクワッチ)〕の話」とバカにし、父も 「山にそのマッドマンが実在するとしよう。そいつは、怒ってマッドなのか、間抜けてマッドなのか?」と、本気では訊かない。だから、オーウェンも 「さあね、今度、訊いとくよ」と適当に答える。弟をバカにするのが好きな姉は、「私に言わせるなら、この山のマッドマンって言ったら、あんたのことよ、オーウェン」と言い、オーウェンも 「好きに言えよ」と相手にしない。
  
  
  

次のシーンは自宅前の父の車の横に、新聞配達用の自転車を持ち出したオーウェン。そこに、新聞屋のピックアップトラックの荷台に乗った男が、オーウェン用の新聞の束を投げていく(1枚目の写真、矢印)。ここは太平洋側のワシントン州の東端にあるチェイニー(Cheney)という人口1万人くらいの町〔撮影場所も同じかどうかは不明〕。そして、新聞の一面を占めているのは、「ロサンゼルスでダイヤモンド強盗」という記事(2枚目の写真)。テディベアを積み込む前に、父は、オーウェンの自転車を見て、「すごい創意工夫だな」と感心する(3枚目の写真)。自転車の後ろに付いているのは、「半自動高速配達システム」。ハンドルの前には「太陽電池を使った盗難防止装置」。そこに母が姉と一緒に家から出て来ると、母は姉を留守中の責任者とし、姉は、オーウェンに 「私は あんたのベビーシッターね」と、ニヤニヤしながら言うので、オーウェンは小さな子供扱いだ。
  
  
  

両親が出掛けた後、キッチンに戻ったオーウェンは、置いてあった注意事項の紙〔10項目あるが、判読できたのは5項目。①暗くなったら玄関を開けない、②10分以上 電話を使い続けない、③午後9時以後はTVを見ない、④友達を家に入れて遊ばない、⑤家具の上で飛んだり跳ねたりしない。すべて「ない」が付いている〕をチラと見ると、セリアルを食べる(1枚目の写真)。姉は、食べている最中に、「牛乳をしまうの 忘れないように」と言い、オーウェンはすぐに席を立ち、冷蔵庫に入れるが、扉を閉めた後で、扉に貼ってある写真をじっと見つめる。そして、壁に掛けてあるリードにも目がいく。姉は 「そのリードで、あの犬は戻らないわ」とオーウェンに言う(2枚目の写真、矢印は以前飼っていた犬)。「分かってるけど、リードがあそこにあるのを見ると ホッとするんだ」。「おばあさんで病気だった。犬は死ぬのよ。人間と同じ」。姉がキッチンを出て行くと、オーウェンはズボンのポケットにクッキーを何枚か入れる。
  
  

その頃、小さな空港に 小さな旅客機が着き、10名ほどの乗客が降りてくる。出口に一番近いところに、冴えない服装をした2人の小太りの男が待っている。そこに、盲導犬をつれた尼僧が寄って行く(1枚目の写真)。この3人は、『ホーム・アローン』と同じように、実際にはあり得ない “お間抜け泥棒”。だから、ボスが尼僧に変装していても、白人のトンマは、「おい、シスター、立ち止まないでくれよ。邪魔だ」と、追い払おうとする。ボスは、盲人用の黒メガネを外し、間抜けな2人に、変装しているのだと分からせる。そして、盲導犬のことを、100万ドルの犬だと紹介する。ボスは、2人が、体をもたれていた車に乗ろうとするが、ドアが開かない。2人がボスに示したのは、隣に停めてあった ものすごく安っぽくて〔色が最悪〕、小さくて〔後部座席に、でぶっちょが1人乗るのが大変〕、古い車〔マフラーから白煙もくもく〕。ボスは、「こんなのに乗れだと?」と怒る。2人は、車が盗まれたからレンタカーだと言うが、こんな変な車、レンタカー会社が保有しているとは思えない。じゃんけんで負けた黒人が後部座席に押し込まれ、お粗末な車は空港から出て行く(2枚目の写真)。
  
  

オーウェンは新聞配達に出発。「半自動高速配達システム」とは、新聞をバネの反発力で目標に向かって撃ち出すもの。映画だから、受け取り手が うまい具合に外にいて、飛んできた新聞をキャッチしてくれるからいいが(1枚目の写真)、実際にはうまくいくとは思えない。そのうちに、3頭の犬が自転車の後ろについて走るようになると、オーウェンはポケットからクッキーを取り出して道路にまき、それを犬が嬉しそうに食べる。オーウェンは、好きな少女メーガンの家に来ると、自転車から降りてドアをノックする。そして、本人が犬を抱いてドアを開けると、お互いに笑顔で見合い(2枚目の写真)、おもむろに新聞を手渡す。そのあと、オーウェンは、警察署長にも、新聞を手渡しする(3枚目の写真)。
  
  
  

具合が悪くなるのは、まともな住宅地を離れ、トレーラーハウスが並ぶ地区に入ってから。不良と、その手下3人が自転車でオーウェンの後を追い始める。不良の指示で3人は途中で別ルートに分かれ、1人が1人を追う形に。不良は途中でドジなところを見せるが、オーウェンが橋の上にさしかかった時、行く手にさっき別れた3人が現われて道を封鎖する。後ろには、不良がいてバックできない(1枚目の写真)。不良は、オーウェンのところまで歩いてくると、「捕まえたぞ、クズ野郎」(2枚目の写真)と罵り、「俺の彼女につきまとって、何してやがった?」と訊く。「誰のこと?」。「メーガンだ」。「新聞を届けただけだ」。「彼女に近づくな」。そう言うと、自転車に残っていた新聞を川の中に投げ込む。その後は、自転車本体を持ち上げ(3枚目の写真)、欄干から川に落とす。最後は、オーウェンのズボンを無理矢理脱がせ、川に投げ捨てると、「またな、クズ野郎」と言って、4人で去っていく。残されたオーウェンは、川まで降りて行き、まずズボンをすくい上げる(4枚目の写真)。自転車は流されないので、真下に落ちていたのを川原まで持って来るが、幸い、壊れた箇所はなかった。そして、湖沿いの駐車場に辿り着く。
  
  
  
  

一方、ボスと2人の出来損ないを乗せたボロ車の中で、2人は「強盗」の話を聞きたがる。ボスの話で意外だったのは、「俺は盗んじゃいない。ブツを受け取っただけだ。俺たちは、ただの配達屋だ」と話したこと。運転している白人のデブが、「そのワン公は、何です?」と訊くと、「インサイドさんが、俺が宝石を持ってセキュリティを突破できるよう考えた。犬は小包なんだ」(1枚目の写真)〔ということは、このボスも単なる能無しで、2人の出来損ないと似たり寄ったり〕。「いつ、報酬がもらえるんで?」。「ブツを届け次第」。そして、ブツを渡す場所は この80マイル〔129キロ〕先。長距離を走るので、ボスは、尼僧の化粧を落とせる場所に寄るよう命じる。その立ち寄った場所が、先ほどオーウェンが自転車を停めた場所。オーウェンは、盗難防止用のチェーンをはめ、さらに、「太陽電池を使った盗難防止装置」のスイッチを入れる。車を降りたボスは、犬を部下に残し、白い杖と、着替えの入ったカバンを持って公衆トイレに向かう。男子用のトイレから出てきたオーウェンは、そこに入ろうとするボスに、「失礼ですが、そこは男子用です」と言い、女子用トイレの入口まで連れて行く(2枚目の写真)。ボスにとっては迷惑な話なので、女子用のドアの所まで来ると、如何にも目が見えない人のように指でオーウェンの顔を触り、「何て親切な子なの」と言いつつ、恨みをこめて頬を思い切り引っ張って(3枚目の写真)、トイレに入って行く。
  
  
  

犬を任された2人が、犬を枝で突いているのを見たオーウェンは、「ねえ、止めて! 痛がってる」と寄って行き、犬の様子を見て、「腹ぺこだよ〔starving〕。最後に水あげたのいつ?」と訊く〔腹ぺこと水とは無関係。starvingとthirstyの言い間違い?〕。2人とも、そんなことは知らない。そこで、オーウェンは、プラスチックの容器を拾ってきて、動いていないスプリンクラーから垂れている水を容器に入れ、犬に飲ませる。犬が必死に飲んでいるので、バカな2人にも オーウェンが言っていることが正しいと分かる。オーウェンは、さらに、「このハーネス、きつ過ぎるよ」と注意する(1枚目の写真)。2人が犬をオーウェンに任せていなくなると、オーウェンはハーネスを固定する金具を外してしまう。そこに、背広に着替えたボスがやって来る(2枚目の写真)。そして、「おい、坊主! 犬から離れろ」と言う。そして、犬に向かって、吼えるような仕草をした後で、2人に、犬を車に乗せるよう命令する。このボスが大嫌いな犬は、ハーネスの金具が外れたのを幸い、ハーネスを2人の手下に残して、逃げ去る(3枚目の写真)。
  
  
  

オーウェンは 犬を助けようと、山の中に逃げ込んだ犬が走って行った方向とは違う方向を3人に示す。そして、率先して別な方向に3人を連れて行く。そして、ある場所まで来ると、オーウェンは、「しーっ」と言って、うるさい3人を静かにさせる(1枚目の写真)。すると、鈴が鳴る音が聞こえてくる。「あれ何だ?」。オーウェンは、枝から吊り下げられた、魔除けの品々を指差す。それを見て、デブが一歩後退すると、足元のロープに触れ、カカシのようなものが目の前に現れ、びっくりする。ボスは、「一体どうなってる?」とオーウェンを問い詰める。「警告だよ」。そう言うと、木の幹に付けられた、「侵入者は注意」と書かれた板切れを指す。そして、あちこちの木の幹に付けられた黄色の線を示し、「黄色い粘土が、彼の領分を示してる」と言う。ボス:「彼って、誰だ?」。「山のマッドマン。尾根に住む頭の変な世捨て人だよ。黄色い線を越えると、命に危険があるんだ」。ボスは全く信じない。そして、部下の2人に命じて、黄色い線より中に入らせる。最初は怖がっていた2人だが、何も起きないので、バカにし始める。すると、無害そうなリスが2匹現われ、うち1匹は、小太りの黒人の腕に飛びついて噛みつく(2枚目の写真、矢印)。もう1匹は白人のデブの背中に飛びかかる。最初の1匹はボスの脚にも噛みつく。4人は、危険地帯から逃げ出す。次にオーウェンが連れて行ったのは、オーウェンがマッドマンのために作ったカカシなどの工作物のある場所。ボスは、オーウェンが、自分達を脅して追い払うためにやっていると疑う。すると、オーウェンはいきなりボスの脚を蹴り(3枚目の写真)、走って逃げ出す。そして、大きな岩の所まで来ると、垂れ下がっているロープ〔登り易いように、止め結びが等間隔に入っている〕を伝って、するすると登り、すぐにロープを引き上げる(4枚目の写真)。3人は、岩を登れないので、そこに取り残される。
  
  
  
  

オーウェンは、反対側に降りて行き、犬を見つけると、黄色い線を越えてマッドマンの領域を通過し、自分の砦まで連れて行く。そして、砦の先端の見晴らしのいい場所まで一緒に行き、「僕の砦にようこそ」と言い、下界を指して、「ここを降りて行くと 僕の家だ」と教える(1枚目の写真)。一方、山の中で道に迷ったボスは、かつて カブスカウト〔ボーイスカウトの年少団員〕にいた経験から、「谷川は、俺たちを森から出してくれる」と言う。オーウェンは、犬に砦の中に連れて行き、壁に貼ってある死んだ愛犬の写真を見ながら、「友だちになれたのに」と 懐かしそうに言う(2枚目の写真)。「でも、もう死んじゃった。ママは、他の犬を飼わせてくれないんだ。姉さんに バカなアレルギーがあるから。でも、ここに住めばいい」。そのあと、オーウェンは犬に テニスボール発射装置を見せ、スカンクの箱には近づかないよう警告し、その横のイスに座ってポテトチップを一緒に食べながら、「きれいな首輪だね」と言いながら、触ってみる(3枚目の写真)。「偽物だよね。名札もない。名前もない」。そう言うと、首輪のダイヤに因んで、「君を、ダイヤモンドと呼ぼう」と決める(4枚目の写真)。ボスたちは、何とかボロ車を停めた駐車場まで戻って来る。そこでオーウェンの自転車を見つけるが、そこに貼ってあったシールには、オーウェンという名前と、チェイニーという町は判読できるが、通りの名と番地は読めない。しかし、小さな町なので、ボスは、名前だけで、住所も突きとめられると判断する。
  
  
  
  

オーウェンは、昼食の時間が近づいたので、犬用に水筒の水をタライに入れ、「ここにいるんだ。もし誰か来たら、森に逃げろ。僕はランチに戻らないと。もし遅れたら、姉貴が怒って両親に言いつけるから」と言い残して、砦を去る。ボス達は、町に行き、捜し回るがオーウェンの手掛かりはない。家に戻ったオーウェンは、姉が作った不味そうな料理を見て、食べる気がしない(1枚目の写真)。姉が友達と電話で話していると、来ては行けないはずの犬が、キッチンの裏口ドアの向こう側にいるのが見えたので、オーウェンはこっそり犬を中に入れる〔姉は、電話中で気付かない〕。犬は、お腹が空いていたので、オーウェンの皿の料理をあっという間に全部食べる(2枚目の写真)。オーウェンは、姉が気付く前に、犬を収納棚の中に隠す。電話を終えた姉は、オーウェンの皿が空になっているのを見て、変な顔をして横に座る。オーウェンは、「たいした腕前だね」と誤魔化す。「私の料理のこと、ムカつくとか言ってなかった?」。「いつもはね。でも、今日のは最高」。それを聞いた姉は、皿に大量に料理を追加する(3枚目の写真)。すると、また電話。姉がいなくなると、オーウェンは皿を持って、収納棚を開け、犬に食べさせる(4枚目の写真)。結構早く戻って来た姉は、皿がまた空になっているのを見て、「気味が悪いわ」。
  
  
  
  

姉は、オーウェンから犬の臭いがし、顔や服が汚れていて、おまけにオナモミ〔トゲのあるイガを持つ草〕が付いていたことから、風呂に入って石鹸で洗い、汚れた服を着替えるよう指示する。オーウェンは、「はい、ご主人様」と皮肉ると、犬を収納棚から出して2階のバスルームに連れて行く。次の映像を見ると、泡まみれになって風呂に入っているのは犬の方で、オーウェンの体は濡れていない。オーウェンが、「なんで、こんなにたくさんオナモミがついてるんだ」と言いつつ、犬の毛からオナモミを取っていると、いきなり姉の声がする。「誰と話してるの?」。オーウェンは、「誰とも。歌ってる」と誤魔化し、歌い始める。姉が、チェックしようとドアを開けようとするとロックされている。オーウェンは、「入るなよ!」と文句を言い、ロックしたことを正当化。姉は、「私のシャンプー、使っちゃダメよ」と注意。オーウェンは、「使わないよ」と言いながら、そのシャンプーを取ると、犬の体に中身を全部かける(1枚目の写真)。風呂から出たオーウェンは、犬と一緒に廊下に出るが、カーペットに濡れた足跡が点々と付いてしまったのを見て、犬を自室に入れると、新聞紙で足跡を吸い取り始める(2枚目の写真)。すると、新聞に載っていた写真がオーウェンをびっくりさせる(3枚目の写真)。今朝、パーキングで見た尼僧とハーネスを付けた犬だったからだ。オーウェンは記事を読み始める。「ダイヤモンド強盗。500万ドル相当〔現在の約700万ドル≒9億円〕のダイヤモンドが盗難に遭い、当局は、ロサンゼルス宝石仲介市場における組織内の強盗犯行と疑っている。泥棒は、手のひらに入るだけの最上質のダイヤモンドだけを選んだ。当局は、仲介市場の監視カメラで、盗難直後に仲介市場に入って行く大柄な尼僧を含む容疑者の行方を追跡中。この容疑者は、7分後に、盲導犬とともに仲介市場を出て行った」(4枚目の写真)。オーウェンは、そこまで読むと、犬を見て、「君なのか? 何てことだ。500万ドル。奴ら、君を追ってる」。そして、犬の首輪に付いたダイヤの飾りを見て 「これを追いかけてるんだ」と言い、「警察に行かなくちゃ」と決心する。
  
  
  
  

一方、ボスは、町中を探し、諦めかけた頃、屋台の前にいた “オーウェンの仇敵の不良” を見つけ、「オーウェンって奴、知ってるか?」と訊く。不良は、これでオーウェンが拙い目に遭うと思いニヤリとし、それを見たボスは、これでオーウェンの住所が分かったとニンマリする(1枚目の写真)。3人は、ボロ車で、さっそくオーウェンの家の前まで行く。ボスは、2人に家の裏を調べるよう命じ、自分は玄関のドアを叩く。姉は、また電話中だったが、「またかける」と電話を一旦切り、ドアを開ける。見掛けない男は、「お嬢さん、お邪魔して申し訳ない。犬を捜しています。金色の毛の雑種犬で、ここに住んでるオーウェンって子と一緒にいるところを見たと聞いたもので」と話す。「ええ、私の弟よ。驚かないわ。あの子、犬おたくなの」。そこに、裏にいた2人がやって来る。ボスと違い、薄汚くて、怪しい風貌の2人なので(2枚目の写真)、姉の顔が急に “これ何” という表情に変わる。姉は、家の中に向かって、大声でオーウェンを呼ぶが、彼は犬と一緒に警察に行ったので返事はない。そこで、ボスに向かって、「彼、いないわ。きっと、夕食まで、砦にいるんだと思う」と答える。そして、砦の場所を訊かれると、怪しい相手なので、指で家の後ろを指して、「裏山の上」と曖昧に教える(3枚目の写真)。そこに電話がかかってきて、姉は、「もし、弟があなたの犬を見つけてたら、大事にしてると思うわ」と言って、早々に追い出す。ボロ車に戻った3人は、行くあてもないので、オーウェンが夕食に戻って来るのを待つことにする。
  
  
  

警察にやってきたオーウェンを見た 顔見知りの署長は、「どういった用件だい?」と気軽に声をかける。オーウェンは銀行強盗の新聞を見せ、「これだよ」と言う。「ロスのダイヤモンド強盗だな。それがどうした?」。「誰がやったか知ってる。証拠も、ここにある」と、寄って来た女性巡査に犬を指す(1枚目の写真)。女性巡査は、盗難に盲導犬が絡んでいたことを知らないのか、「その犬がやったの?」とバカな質問をする。当然、オーウェンは、「彼女〔雌犬〕は潔白だよ。泥棒は、ダイヤモンドを隠す場所が必要だった、だから、ダイヤモンド〔犬の名〕に隠したんだ」と言う。署長は、「ダイヤモンドに隠した」という変な表現に、「何を隠したって?」と訊く。「ダイヤモンドをダイヤモンド〔犬の名〕に」。「何だって?」。「ダイヤモンド〔犬の名〕だよ。僕の犬。ええと、奴らの犬かな。彼女は、奴らの犬だったけど、今は僕の犬で、というのも…」。話が、変な方に進んだので、署長は、「オーウェン、今日は、作り話に付き合ってる暇がないんだ」と言う。「作り話じゃないよ」(2枚目の写真)。女性巡査:「でも、マッドマンみたいな作り話に聞こえるわ」。オーウェン:「だけど、マッドマンはホントに森にいるよ。サーカスから逃げて来たんだ」。女性巡査は、「ビッグフットとも お友だちなのよね」と言ってニヤニヤ。それを見たオーウェンは、「チェイニーに泥棒がいるってのに、なぜ笑ってるの?」と批判。署長:「話は聞いた。警戒することにしよう」と、半分冗談で言う。オーウェンが、「首輪のダイヤモンドすら見たくないの?」と訊くが(3枚目の写真)、署長の返事は、「オーウェン、頼みがある。新聞は配るだけで、読むのは止めておけ」。説明の仕方が拙かったオーウェンは、犬と新聞を持って退散するしかない。
  
  
  

オーウェンが、がっかりして署を出ると、メーガンが買い物袋を持って歩いていたので、声をかける。「その子は?」。「僕の新しい犬、ダイヤモンドだ」。「いい名前ね。撫でていい?」。「もちろん」。オーウェンは、犬が、新聞に載っていたダイヤ泥棒の犬で、ダイヤモンドを運ぶために利用されたと話す。「じゃあ、首輪のダイヤモンドは本物?」。「そうだよ、500万ドルなんだ」〔『最上質のダイヤモンドだけを選んだ』と新聞にあったのに、それが大きさの揃った小粒の “ダイヤ” の首輪になっているハズはないのだが、オーウェンはそこまで気付かない〕「署長は、信じなっかったけど」。「私、信じてあげたいけど、作家にでもなったらどう? すごい想像力だから」。そこに、例の不良が手下とともに現れる。メーガンの最後の言葉を聞いていた不良は、「これから、俺がお前をどうするか 想像してみなよ」と オーウェンに言う。不良が嫌いなメーガンは、「何の用?」と冷たく訊くが、不良は、それには答えず、オーウェンに 「俺の彼女に近づくなと警告しなかったか?」と、脅すように言う。それを聞いたメーガンは、「私は、あんたの “彼女” なんかじゃない」と全否定する。オーウェンは、メーガンの買い物袋を、重いからと自転車のハンドルに置いてあげていたのだが、不良は、それをオーウェンの物だと勘違いし、部下に命じてそこからチョコレートを奪い、自分の口に入れる。それを見たメーガンは、「あんたって、嫌な奴〔monkey butt〕ね」と蔑み、それを聞いた不良は、メーガンを殴ろうとし、オーウェンに止められる。不良は、オーウェンを歩道にひきずり倒すと、3人に足で蹴らせ、最後に 「俺の彼女に近づくな」と、思い切り蹴る(2枚目の写真、矢印)。本気で怒ったオーウェンは、立ち上がると、不良のお腹に強打を浴びせ、不良は歩道に倒れる。オーウェンは、メーガンの買い物袋から半ダース入りの生卵のパックを取り出すと、フタを開け、不良の頭に叩きつける(3枚目の写真)〔不良は結構弱い〕。その時、ボスのボロ車が通りかかり、オーウェンと犬を見つけてUターン。オーウェンは、大急ぎで脇道に隠れて免れるが、追跡されていると悟る。
  
  
  

自宅に戻ったオーウェンは、連絡用の黒板に、「砦にいる。夕食まで戻る。O〔オーウェンのO〕」と書くと、必要な物をリュックに詰め、裏庭から直接山に登って行く。そして、傾斜30度の斜面の真上にある砦に着くと、犬の首輪を外し、「まず、ダイヤモンドを隠さなきゃ」と犬に話しかけながら、首輪をポリ袋に入れる。「それから、念のため、対決に供えて砦の防御を固めないと」。オーウェンがリュックから出したものは、ケチャップ、食用油、コーラ缶、人形、浮き輪。そして、浮き輪の中に、砦に置いてあった動物の角、かなづち、木の針、犬のぬいぐるみ、紐、ロープを投げ込む(1枚目の写真)。彼が最初にしたことは、床板に長い木の針を6本刺すこと(2枚目の写真)。次に、さっきオーウェンが追っ手を巻いた巨岩の上に、たくさんの石(直径30cm以上)を積み上げ(3枚目の写真)、ダンベルを2個用意する。次に場所を移し、リスのいた辺りに、大きなジョウゴをパイプに挿し、コーラの空き缶3個を紐で吊るし、押すと鳴く犬のぬいぐるみをロープでぶら下げ、そのロープの反対側の端には、枝に付いた蜂の巣を結び付ける(4枚目の写真、矢印)。オーウェンが準備している間に、犬が一瞬いなくなり、マッドマンの大きな手が犬の頭を撫でているシーンが挿入される。犬は、すぐに戻って来て、オーウェンを巨大な足跡の所まで案内する。オーウェンがふと見上げると、高台にマッドマンが立っている。オーウェンは、「心配するな。マッドマンは、僕のこと知ってる」と、犬を安心させる。
  
  
  
  

オーウェンが砦に戻ると、いつもは箱の中にいるスカンクが、外に出ていたので、何も知らない犬が、止めるのも構わず追いかけ、顔に分泌液を掛けられる。オーウェンは、犬を寝かせて、アルコールで顔をきれいに拭いてやる。そして、お腹をくすぐっていると、手が何かに当る。「これ何だ? どうしたんだ?」と、傷跡を見る(1枚目の写真)。そして、傷跡の上から大きな四角い絆創膏を貼る(2枚目の写真、矢印)。そして、「あいつらが、いなくなったと分かり次第、獣医に連れて行くから」と、声をかける。「少し休んでろ。早く治る」。
  
  

オーウェンは犬と一緒に寝てしまう。すると、人影がよぎるのが映る。それに気付いて目が覚めたオーウェンは、砦のベランダに置いてあるロッキングチェアに マッドマンが座ってチェアを揺らしているのを見て驚き、できるだけ近づいて様子を窺う(1枚目の写真)。すると、マッドマンは、チェアの横に置いてあった箱を取り上げ、中に入っていた食べ物を口に入れる(2枚目の写真、矢印)。マッドマンは、食べ物の代わりに、服から何かを取り出して、箱に入れる。犬は、起き上がると、オーウェンの横を通ってベランダに出て行き、マッドマンに頭を撫でられる。犬とマッドマンの仲の良さは、オーウェンにとっては初めてなので、びっくりして見ている。一瞬、目を逸らした隙にマッドマンはイスから消えている。オーウェンはベランダに出て行くと、箱を取り上げ、マッドマンが何を入れたのかを見てみる。「僕のリンゴのパイの代わりにヤマアラシの棘をくれた」(3枚目の写真、矢印)「1人暮らしで寂しいんだろう。君のことが、すごく好きみたい。君も、彼が好きなんだろ?」。
  
  
  

ふと時計を見ると、午後5時になっている。オーウェンは、「夕食に遅れちゃう。もしママが電話かけてきて、その時、ぼくがいなかったら、外出禁止だ」と犬に話しかけると、今度は頭を撫でながら、「ここにいろ。誰か来たら、隠れるんだ」と言い聞かせ、急いで家に向かう。一方、家では、姉がフライパンの中身を皿に移していると、電話が鳴る。母からのチェック電話だ。その頃、オーウェンは裏庭に飛び降り、ホースが足に絡まって芝生の上に仰向けに転がっていた。姉は、その姿を窓越しに見て、「ええ、ママ、いるわ」と返事する。「裏庭で、虫か何か探してる」。その時、オーウェンが裏口からキッチンに入ってきたので、「ターザン君、ママよ」と、電話を替わる。オーウェンは、さっそく、「もし、犬が… すごく優しくて… 超カッコよくて… 吠えたり、毛を落としたり、家具をひっかいたり、車を追いかけたりしないような犬がいたら… ひょっとして…」(1枚目の写真、矢印は、前回と同じ写真)。ここまで言ったところで、ピンと来た母が何か言い、それに対し、オーウェンは、「でも、ママ、姉さんがアレルギーなのは、僕のせいじゃないよ。僕の部屋で飼うんなら?」。それでも反対されたらしく、「分かったよ、ママ。姉さんの方が、大事だもんね」と言って、電話を切る。姉は、「どんな犬?」と訊く。オーウェンは、「何言ってるの?」と誤魔化す。姉は、「全部知ってるわよ。今日、飼い主が捜しにきたの」と打ち明ける。オーウェンは、「誰が? 何だって? いつ?」と仰天する(2枚目の写真)。「3人の汚い男たち」。「何を話した? 砦のこと話してないよね?」。「もちろん」。「トラブルにでも巻き込まれてるの?」。その時、ドアがノックされる。「もし、彼らだったら?」。「引っ越したと言って」。姉は 「朝、ここに住んでたのに、引っ越したですって?」と呆れながらドアを開けると、そこにいたのは姉の悪友2人。うち1人は、姉に、「あなた、まだベビーシッターやらされてるの?」と訊き、オーウェンを見て、「見て、赤ちゃんがいるわ」と嘲り、オーウェンは、その侮辱に笑顔で応じる(3枚目の写真)。2人は、姉を男子生徒も集まるパーティーに誘いに来たのだが、姉も行きたいので、10ドル札を取り出してオーウェンに見せると、「ママとパパに このことを黙ってたら、犬を砦に隠してることは黙っててあげる」と言い(4枚目の写真、矢印はお札)、オーウェンはすぐに了解する。そして、3人が出て行くと、ドアに鍵を掛け ブラインドを降ろす。
  
  
  
  

次が、映画の中で一番バカげたシーン。家の向かいで停車していたボロ車の中で、部下が何度も臭いおならをし、死にそうになったボスは窓を開ける。その時、後部座席にいた部下が車内でマッチを擦ったため、ガスに引火して爆発、悪臭が周囲に広がったという あり得ない設定。オーウェンは、家の中に閉じ籠ったハズなのに、なぜか、不用心に裏庭に出て行き、鼻をくんくんさせる。すると、待ち構えていた3人に捕まる(1枚目の写真)〔これ以外に、家に閉じ籠ったオーウェンを捕まえる方法を考えつけなかったのか? あまりにお粗末〕。オーウェンは、なぜか、ベストのタイミングで砦から家にやって来た犬によって助けられ、一緒に砦に走って逃げる(2枚目の写真、矢印は砦)。
  
  

3人は、オーウェンと犬を追って行く。最初に登場する罠が、コーラの空き缶。喉が渇いていたデブは期待するが、ボスは、「空き缶だろう」と言う(1枚目の写真)。そして、「間抜けな罠だ。触った瞬間にアラームが鳴るに違いない。お前たちに、どんな危険が待ち受けているか、見せてやる」と言うと、地面に置いてあった紐付きの角を手に持つ。すると、角が、バケツの重みで自動的に巻き取られ、バケツが地面に落ちると、シーソー構造になった板の反対側の缶に入っていたボールが飛んで行き、大きなジョウゴからパイプに入り、スコップを落としてロープを切断、上の枝から落ちて来た石が地面に斜めに置いてあったケチャップに当り、中身がボスの顔に当たる〔あり得ないほど複雑〕。すると、上から ぬいぐるみの犬がブランと下がってくる(2枚目の写真、矢印)。ボスがそれを思い切り引っ張ると、替わりに蜂の巣が(3枚目の写真、矢印)。
  
  
  

次は、手作りのテニスボール撃ち機の登場(1枚目の写真)。2つ前の写真のように、砦の手前は木の生えていない斜面なので、そこを登って来る敵を狙い撃ちできる。精度は高いので、顔に当たるとかなり痛い(2枚目の写真)。しかし、テニスボールはバケツ1杯分しかないので、撃ち尽くせばそれで終わり。相手は、3方向に分かれて砦に向かう。
  
  

3人が砦に着くと、オーウェンと犬は中にいない。床下に隠れていたオーウェンは、小屋の横の木の陰に隠れると、囮(おとり)の犬を見つけて駆け寄る3人の真上から 大きな布を落下させる(1枚目の写真、矢印の方向に落下)。オーウェンと犬は、その間に床下に逃げ込む。ボスは、砦の中から犬の吠え声が聞こえたので〔床の落とし戸から、顔を出して吠えた〕、砦の中に入って行くと、入口横のスカンクの箱の蓋がガタガタ音を立てている。中に犬が隠れていると思ったボスが蓋を開けて捕まえようとすると(2枚目の写真)、臭い分泌液を顔に掛けられる(3枚目の写真)。
  
  
  

頭に来たボスの前に、「ママ」と声を出す白い小さな犬のぬいぐるみが出て来る。ボスは、そのぬいぐるみを思い切り踏んづける(1枚目の写真、矢印の方向に踏む)。すると、犬の乗っていた板は下がり、替わりに、木の針6本の付いた板が跳ね上がり(2枚目の写真、矢印の方向)、ボスのお尻に刺さる。ボスは絶叫し、部下がペンチで針を抜く(3枚目の写真、矢印)。それを、オーウェンは落とし戸から楽しそうに見ている(4枚目の写真)。
  
  
  
  

お尻が痛くてたまらないボスは、さりげなく置いてあったゴムの浮き輪の上に座る〔浮き輪の下にはスイッチの入っていない電熱器が〕。部下2人は、犬を探しに小屋から出て行く。オーウェンは落とし戸から腕を伸ばして電熱器の電源を入れる。それから、床下からベランダに出ると、部下2人の後ろに現われ、「僕を探してる?」と声をかける(1枚目の写真)。2人が、さっそく追い掛けると、オーウェンはロープをつかんで、空中に飛び出る。2人は、勢い余ってそのまま落下(2枚目の写真、矢印はオーウェンの飛ぶ方向)。砦の中では、外の騒ぎに、「何を騒いどる?!」と怒鳴るが、その直後に、熱で浮き輪が破裂し、お尻と電熱器の真っ赤なニクロム線が接触、悲鳴を上げる(3枚目の写真、矢印はニクロム線)。
  
  
  

小屋から飛び出したボスは、戸口の前にあった桶にお尻を突っ込んで熱を冷ます(1枚目の写真、白いのは水蒸気、矢印はオーウェン)。「コリゴリだろ?」と言うと、ボスは立ち上がって追ってくる。オーウェンは、戸口から入り、木の板10枚以上で作った遮蔽物で、入ろうとするボスに痛い思いをさせ(2枚目の写真)、その間に、床に食用油を撒く(3枚目の写真)。オーウェンは、木の梯子で屋根に上がって行き、追いかけてくるボスを、屋根の落とし戸を叩きつけて転落させる。床に落ちたボスは、梯子を下りてきたオーウェンを捕まえようとするが、油で滑り、転んで尻もちをついた場所が、さっきの真っ赤なニクロム線の上(4枚目の写真、矢印は、1回目のニクロム線で燃えてなくなったズボンから見える火傷したお尻)。
  
  
  
  

一方、下まで転がり落ちた手下2人は、かつて、オーウェンがロープで登った巨岩の所まで来る。今度は、ロープが、垂れ下がっている。2人は、「罠かもしれん」と、強く引っ張ると、板で止めていた石が転がり落ちて来る(1枚目の写真)。2人は、岩の下の窪みに体を押し付け、石に当らずに済み、「今度は、出し抜いてやったぞ」と喜ぶ。すると、それを見越して遅くスタートしたダンベル2個が転がり落ちて来て、ロープで登ろうとした2人の顔を直撃する(2枚目の写真、矢印)。
  
  

その後、形勢は逆転する。犬の具合が急に悪くなり、心配したオーウェンが、かかりきりになったためだ。それを、砦の窓から見たボスは、置いてあったロープを持ってオーウェンに近づいて行く(1枚目の写真)。オーウェンは、木の棒を拾い、ボスの前に立ちふさがり、犬に「逃げろ」と言うが、犬は動けない。「どこかおかしい。構うな」と言うが、棒は簡単に撥ね退けられ、ボスは犬の首にロープを縛り付ける。オーウェンは、砦に逃げ帰り、以前成功したロープ飛びを使うが、今度は、逆に、ボスに捕まってしまう(2枚目の写真)。そして、ロッキングチェアに縛り付けられる。犬は、部下2人に囲まれて、ぐったりしている(3枚目の写真)。
  
  
  

黒人の部下が、「ボス、ナイフを」と言い出す。それを聞いたオーウェンは、「犬に何する気だ?!」と恐怖にかられる。ボス:「心配するな。あいつは、二度と何も感じなくなる」。それを聞いた部下は、笑う。ところが、2人が、犬の腹を剥き出しにすると、大きな絆創膏が見える。それを見たボスは、愕然とする。そして、オーウェンに、「あいつに、何をした?」と詰問する。「痛そうだったから、助けたんだ。放してやったら、どこにダイヤモンドを隠したか教えてやる」。ボスは、何よりもダイヤモンドが欲しいので、その提案に乗る。オーウェンが連れて行ったのは、高台の上にマッドマンが置いた一種のボート。オーウェンは、「あれは、ここに隠した」と教える。犬を木に縛り付けた部下2人は、ボートに乗り込む。すぐに、マッドマンのリスが出て来て、犬を縛ったロープを歯で削り始める。黒人は、ボートの中からポリ袋に入った首輪を見つけ、ボスに見せる(2枚目の写真、矢印)。しかし、それを受け取ったボスは、「また、嘘つきやがって!」と怒鳴る。オーウェンは、逆に 「どういうこと? これだよ」と、本気で訊く(3枚目の写真)。「この首輪は、空港で、強盗祝いに買った安物にすぎん」。「偽物なの?」。その驚きように、3人は、大きな絆創膏を見て、誤解したことに気付く。「まだ、雑種の中だ」。「彼女の中って、どういうこと?」。ボスは、ナイフを取り出すと、「見せてやる」と言う。
  
  
  

その言葉と同時に、2匹のリスが犬を縛っていたロープを噛み切る。ボスは、代わりに、ロープで体を結んでいたオーウェンを傷付けようとする。そこにマッドマン登場。斧でロープを叩き切り(1枚目の写真)、ボスの首をつかんで、ボートに投げ込み、ボートをつないでいたロープを斧で断ち切る。ボートと言っても、4輪のタイヤが付いているので、斜面を転がるように走り降りる。元々道などなど斜面なので、段差があって飛び越えたり(2枚目の写真)、走るにつれて速度が上がっていくが、どうやって撮影したのだろう(3枚目の写真)?
  
  
  

3人を乗せたボート車は、斜面から道路に飛び出し、そのまま舗装された坂道を下って町に入って行く。その先にいたのは、例の不良。駐車してある車から、ホイールを盗んでいる。しかし、変な乗り物が高速で近づいて来たのを見て、自転車に乗って逃げ出すが、相手の方がスピードが速いので、追い付かれそうになる(1枚目の写真、矢印はボート車)。不良は、逃げようと路地に突っ込み、その先の大型のゴミ収取ボックスに自転車ごと突入(2枚目の写真)、重い鉄の蓋が閉まって出られなくなる。ボスは、ボート車を何とか止めようと、中に置いてあった錨を投げる。錨は街灯に巻き付き、ボートの台車は停まるが、その上に置いてあったボートは、勢い余って空中に飛び出し、その先の道路に落下して火花が飛び散る(3枚目の写真、矢印はボートが飛び出した方向)。ボートには車輪が付いていないので、道路との摩擦で徐々にスピードが落ち、パトカーの真横で停止する(4枚目の写真)。中にいた警官が、ダイヤモンド強盗の手配犯の紙〔3人の “以前逮捕された時に撮られた写真”〕を見て、すぐに逮捕する〔ここでの大きな疑問点。①「ダイヤモンド強盗」とあるが、盗んだのは別人物で、ボスは、強盗→故買屋へ運ぶだけの役目。②尼僧からどうやってボスを割り出したのか? ③手下2人の存在は不明のはず〕
  
  
  
  

一方、山の上では、時間が相前後するが、ボスたちが消えてすぐ、オーウェンが心配して犬に呼びかける。マッドマンは、しゃがみ込むと、犬を大切に抱え、そのまま立ち上がる(1枚目の写真)。その後、辺りが真っ暗になった頃、マッドマンと犬とオーウェンは、オーウェンの自宅付近の森まで辿り着く。マッドマンは犬を地面の降ろし、オーウェンは「ありがとう」と感謝する(2枚目の写真)〔オーウェンの自宅から砦、そして、その先のボートまでは、かなり近いハズなので、なぜ真っ暗になるまで時間がかかったのだろう?〕。オーウェンは、すぐ前の自宅まで行くと、裏口のドアを開け、キッチンにいた姉に 「助けが要るんだ」とSOS(3枚目の写真)。
  
  
  

次のシーンでは、両親が、VCA北地区動物医療センターに車で乗り付ける〔チェイニーの北北東30キロに実在する病院〕。待合室では、オーウェンが心配そうに立ってウロウロ歩いている。病院に入って行った母は、オーウェンの手を取って、「リリー〔姉〕の伝言を聞いて、すぐに来たわ」と言う(1枚目の写真)。そこに獣医が来て、「一緒に来なさい」と声をかける。オーウェンは、アレルギーの姉を残し、両親と一緒に医者に付いて行く。犬は手術前より元気になっていて、獣医は、「君の犬は良くなるよ」と保証してくれる(2枚目の写真)。そこに、署長が顔を出し、「君は、とても勇敢だ。君のしたことは素晴らしい」と褒める(3・4枚目の写真)。父は、「何をしたんだ?」とオーウェンに訊く。署長は、「彼は、3人の危険な犯罪者を捕まえたんですよ」と言い、獣医は、「彼は、犬の命も救いました」と言った後で、ガラスのシャーレを取り上げると、「もし、犬の体内からこれらを取り出せなかったら、犬は死んでいたでしょう」と言い、シャーレの中に入っているたくさんのダイヤモンドを見せる。署長は、両親に、「犯人は、この動物を使って、警備をこっそりくぐり抜けたのですよ」と補足説明をする。医者は、「500万ドル」という言葉を口にして、シャーレを署長に渡す。それを聞いて、両親はびっくりする。署長は最後に 「あなた方の息子さんは、本当のヒーローですよ」と言う。それに対し、オーウェンは 「ダイヤモンド〔犬〕が、ヒーローだよ。彼女と、山に住むマッドマンが」と言う〔ダイヤモンドが犬の名前だとは、そこにいる誰も知らないので、混乱したであろう〕〔ダイヤモンドを取り戻したことに対する報奨金はないのだろうか? 500万ドルなら1%でも5万ドルになる〕
  
  
  
  

母は、「それ誰?」と訊く。「山のマッドマンだよ。僕の命を救ってくれた」。署長は、マッドマンは、サーカスから逃げてきたのではなく、妻を自動車事故で亡くし、その際、大やけどをし、以来、山で一人暮らしをしている優しい男だと、教える。オーウェンは、両親に 「僕の友だちだし、ダイヤモンドの友だちでもあるんだ」と言う(1枚目の写真)。オーウェンは、「飼ってもいい?」と訊くが、姉のアレルギーが問題となりかける。そこに入って来た姉が、「ダイヤモンドが私たちを幸せにしてくれるなら、アレルギーなんか構わないわ」と言ってくれるが、オーウェンは、「姉さんが、いい考えをくれた」と言う。ここで、場面は砦に切り替わり、オーウェンのモノローグが入る。「姉さんは、僕以上に、ダイヤモンドを必要としてる人がいることを気付かせてくれた。辛いことだけど、正しいことだった」。オーウェンは、犬に向かって、「心配するな、君は、いつだって僕の犬だ」(2枚目の写真)「だけど、これは、姉さんとマッドマンのためなんだ。毎日会いにくるからね」と、別れを悲しむ。すると、いつもの高台にマッドマンが現われる。オーウェンは犬を行かせ、マッドマンは嬉しそうに犬を迎え入れる(3枚目の写真)〔気に食わないのは、マッドマンが、オーウェンに対する感謝の姿勢ゼロで、犬と一緒に消えること。その後味の悪さを補うためなのか…〕。映画の最後は、打ち上げ花火大会の場面。オーウェンとメーガンは仲良く一緒に座って見ている。そして2人がキスしたところで映画は終わる(4枚目の写真)。
  
  
  
  

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